エロール・スペンス vs マイキー・ガルシア

impressions 試合の感想

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今年最初のボクシング界のビックマッチ、IBF世界ウェルター級タイトルマッチ。
チャンピオンのエロール・スペンスの3度目の防衛戦。
今回の試合が注目を集めるのは、チャンピオンのエロール・スペンス、挑戦者のマイキー・ガルシア、共にパウンド・フォー・パウンドの常連選手で、なおかつ無敗だからである。

 

リング誌の最新のパウンド・フォー・パウンドランキングでは、チャンピオンのスペンスは10位、挑戦者のガルシアは7位と、二人とも常にランキングにいる常連です。

 

そして、チャンピオンのスペンスの戦績は、24戦全勝21KO
挑戦者のマイキー・ガルシアは39戦全勝30KO
共に無敗で、KO率の高い選手。

 

さらに、挑戦者のガルシアが今回の試合に勝てば、5階級制覇を達成することになる。

 

これだけ注目を集める要素の多い試合、私も予定を全て断り、ビールとおつまみを事前に準備してスタンバイ。私にとって、最高の幸せタイムの始まりです(笑)

 

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前半はガルシアの健闘が目立つ展開


 

正直、オッズでも不利なガルシア。
体格差でも不利な訳ですから当然ですが、前半は体格差を感じない素晴らしい試合内容でした。特にディフェンス技術が素晴らしく、ボディワーク、足の使い方、そしてパーリング(相手のパンチを手で払いのける)を駆使して、見事にスペンスの重たいパンチのクリーンヒットを外していく。

 

ただし、決してガルシアが有利に進めているかというと、そうではない。お互いにディフェンス技術が高く、共にクリーンヒットの少ない展開で、ほぼ互角の展開が続く。ですが、クリーンヒットは少ないものの、スペンスのパンチの威力の方が強い印象を受けた。ブロックの上からでも、ズシンと体重の乗っているパンチを見ると、おそらくパンチの質はスペンスの方が上だろうと感じた。

ガルシアもKO率は高く、決してパンチが軽い選手ではないはずだが、スペンスと同じリング内にいると、あきらかにパンチの質が違うように思う。
それでもディフェンス技術で善戦しているガルシア、いつまでこの攻撃を防げるのか、少し不安に思ってきたのも事実。

 

中盤以降はスペンスのペース


 

5ラウンド以降、スペンスの攻勢が目に見えて強くなってくる。距離を詰め、体ごと押し込んでくるスペンスに対して、前半のディフェンス技術では防ぎきれない状況がちょくちょく見えてくる。
それでも、クリーンヒットを防いで対応するガルシアは流石である。ですが、ボディ、そしてガードの上から強打を被弾するガルシア、徐々に体力が奪われているように感じる。

 

今回の試合、スペンスはいつもに比べてガードが高いように思う。
リーチ差で不利なうえに、相手がいつも以上にガードが高い。あきらかにマイキーのパンチの空振りが目立ち始める。距離を詰めて相手に懐に入ることもあるが、どうしてもクリーンヒットを当てることが出来ないガルシア。一方、ガードの上とは言え、パンチを当てているスペンス。判定の事を考えても、スペンスの方が見た目は良い。

 

後半はスペンスの一方的な試合展開


 

後半は中盤以上にスペンスの展開。
徐々にスペンスのクリーンヒットが目立ち始める。そして、ガルシアのパンチはほとんど当たらない。スペンスの連打をくらって、ガルシアが棒立ちになる状況もちらほら見えてくる。
特に10ラウンド終わった後の、セコンドからのセリフ「まだできるか?」に対して、私はギブアップもあるのかなと思いました。それほど一方的な展開。

 

ですが、ガルシアはそれを拒否。
試合は一方的、顔も腫れと傷が目立ち始めているが、目は死んでいませんでした。私は、ガルシアのボクサーとしての意地を見たような気がします。
当然、ギブアップという選択肢もあったはずです。逆転KOの可能性もあったはずだが、あきらかな一方的な展開。判定での勝利もほぼ皆無。ですが、最後まで立っていよう、戦っていこうという気持ち、地元メキシカンの歓声を武器に、最後まで戦いぬきました。

 

結果はスペンスの大差の判定勝利(120-107、120-108×2)
まさに完全勝利ですね。

 

個人的感想


 

今回の試合、決定した時点でガルシアは無謀だと思いました。
いくら4階級制覇しているとは言え、5階級目のウェルター級で、なぜ最強と言われているスペンスを選んだのだろう。もっと他のチャンピオンを選んだ方が良かったのではと。

 

ですが、レナードがハグラーに挑戦した時、パッキャオがデラホーヤに挑戦した時、世間は皆が「無謀だ」と言いました。
ですが、世間の声を気にせず彼らは勝利し、ボクシング界のレジェンドになっているわけです。今回結果として、勝利することはできませんでしたが、上の階級の最強チャンピオンに挑戦して、最終ラウンドまで戦い抜いたガルシアには称賛しかありません。あえて弱いチャンピオンを選んで複数階級制覇を達成する選手の多い現在のボクシング界、今回のガルシアは本当の意味でのボクサーだったのではないでしょうか。

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